着せ替え人形
「急にごめんなさい」
口を離した途端、彼女は目を逸らしてそうつぶやいた。
何だか物足りない気持ちになったけど、いつものように無理やり押し倒すようなことはしたくない。
「あの…この続きは今度言わせてください」
彼女が潤んだ目をこちらに向けた。
「…え?
あ、うん…」
拍子抜けした声を出してしまった。
それって、期待しとけってことなのだろうか。
駆け引きとか、面倒なことは苦手なんだけど…
「そうじゃなきゃ、多分写真を受け取れなくなりそうだから…
だから、今は何も言わないでくださいね」
そう言うと彼女はいつもの笑顔を見せてくれた。
内心ほっとしたのはいいけど、釈然としないなぁ…