金色の花
少年の生まれた国は、大陸の端っこに辛うじてしがみついているような小国だった。

赤茶けた砂に覆われた不毛の地。

国は貧しく、頻繁に起こる飢饉がその貧しさにさらなる拍車をかけていく。

いずれは消えてしまうはずのちっぽけな国に転機が訪れたのは今から八年前のこと。

草木の育たぬ赤い大地から貴重な鉱物資源が発見され、交易で得た財貨のほとんどを、父王は軍事につぎ込んだ。

そしてある時点から、すさまじい侵略を開始した。
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