ジャンク・ジャンキー
あたしはそんな声がする方向に目を向けた。
するとある男子があたしと同じように
いじめられていた。
「どうしたのぉ?薬物でも売りに来たのぉ?」
「俺らはそーゆーの興味ないんだけどなぁ」
薬物?
あたしのことを睨んでいた女子達も
あっちの男子の方に目を向けていた。
今のうちだ。
あたしは駆け出した。
後ろからなんか叫んでいる声がする。
そんなの知るか。
そのとき
あたしは気付いていなかった。
いじめられていた彼が
横目でそっと
あたしのことを見ていたことに─。