メトロポリタン・メロンティー・メロンシティ
部屋に戻ると、テーブルに置いてある携帯がチカチカと光っていた。
誰かから連絡が着たのか?
俺は携帯を手に取り、確認した。
母親からだった。
留守番が入っていたが、聞くか少し迷った。
一日そこらの家出なら、別にすぐ聞いてもいいけど……
俺が家を出てから、すでに二年は経っていた。
なんか聞きづらい。

結局、留守番を流した。
ピーッとお決まりの甲高い音が、部屋にうるさく響く。
「貴方、今、どこにいるの?心配してるのよ。早く戻ってきて、お父さんの会社を継ぎなさい。」
メッセージが切れた。
所詮、心配してるのは会社のこと。
やはり、聞かなければよかった。
自分の中に苛立ちが生まれる。
テーブルを蹴飛ばし、部屋を出ていった。


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