いちごみるく
「そしてこの会見を開いたのは...この報道について有耶無耶にしたまま...彼女に想いを伝えたくなかったからです。僕は今、初めてこの会見で彼女に想いを伝えました。...これが僕の全てです。」



そう言ったはる君は、一礼して会見場を後にした。



記者の人が質問をする間もないくらいあっという間な会見だった。



私はというと...いつのまにか涙を流していて...ただはる君が出て行った方を見つめていた。





「藤枝さん、今日もうハルカに仕事は入れていないんです。会いに行ってあげてくれませんか?」



伊藤さんがそっと私にそう言ってニッコリ微笑んでくれる。



私は唇をかみ締めながら大きく頷いた。



そして私は伊藤さんの後に続いて来た道を戻った。



外に出ると、目の前にゆっくりとカーブしてきた車が止まった。



この車は...
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