§Cherish§
抱っこされたまま、注目を浴び
ながらバスに乗ると、各務君は
そっと、私を座席に下ろして、
自分も私の隣に腰を下ろす。

『終点で良かったよ…。』
「…えっ?」

その意味を理解するのに、長く
はかからなかった。

各務君は、少し幼い顔をして、

私の肩に凭れて微睡んでいた。
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