§Cherish§
シャワーを浴び、各務君のいる
湯船に浸かり、
「何だか、幸せだね…。」
と言うと、
『明日が来なきゃいいな。』
と各務君。

「そうだね…。」

そう。
学校では、講師と学生として、
今日のこの出来事は隠さなきゃ
ならない。
お互いに、どんなシーンでも。
そうしなきゃ、お互いの立場を
失うだろう。
私は、まだいい。
けれど、各務君は学生だから、
未来までも危ぶまれてしまう。

『***、…心配ないって!
 大丈夫、上手くやれるさ。』

各務君は笑顔で言って、浴室を
出た。
『ちゃんと洗ってこいよ~?』

…子ども扱いしてるし!

私は湯船を出て、愛された痕の
残る肌を、優しく丹念に洗う。

……キスの痕、消えるかな…。
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