§Cherish§
§Cherish§ #3


『**先生!』

女子の集団が押し寄せる。

「何かな?何か質問が…」
テキストを開こうとすると、
『各務クンとどういう関係?』
という、質問が飛んでくる。
…そういうこと?

「荷物を運んでくれたの。」
『…それだけ?』
「そう、それだけ。」

“それだけ”という表現には、
心がチクリとするけれど…。
助けられたのは事実なんだし、
失礼な表現だから。でも……

『…本当に?』
尚も食いつく彼女達に、少し
怖じ気づいた時だった。

『なぁにしてんだ、お前ら。』

向こうから、各務君が怒った
顔をしてやって来る。

『各務クン!』
今までとは違う声色に変わる
女子……恐るべし!

『先生、ビビってるじゃん。
 そういうの、止めろよ。』
『だって…!』
リーダーの様な女子に、
『ガキのイジメみたいだぜ?』
と、冷たいひとことを放つと、
彼女達はおずおず退き下がる。

『先生、早く行けよ。』
「あ…、うん。」

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