HONEY&ROSE

危険な美しさ

「これ。」私はそういって髪飾りを指す。

「あ~うちの庭にも薔薇が咲いててさ、それ使って母親がローズ水ってのをつくるんだ。体にぬるやつ。
それつかってるからだな。」

「ローズ水かぁ。」

薔薇に触れようとした瞬間

ブスッ

一匹のオオスズメバチがタマコの首すじを刺した。

「痛っ!」

タマコの首すじに激痛が走る。

倒れこむタマコ。

とっさに多岐川が抱き抑え、タマコの首すじに唇をあてる。

とにかく少しでも毒を吸い出さなければ・・

吸っては吐き出す、吸っては吐き出す。

それを何度かくりかえし、多岐川は救急車を呼んだ。

pi-po- pi-po-

サイレンの音。救急車が到着した。
ほんの10分くらいのことなのに
救急隊員がくるまでがすごく長く感じた。

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