HONEY&ROSE

ずっとそばに


病室でタマコは眠っていた。

バタバタバタッ 駆けてくる足音だ。タマコの両親が来たのだ。

多岐川は殴られる覚悟をしておいた。

母:「タマコ、大丈夫~?」
父:「生きてるか?」

タマコの両親だ。ずいぶんのんきな反応だ。

多岐川を見る。

母:「あなたが多岐川くんね。」
父:「一緒にいて応急処置してくれたんだってね。」

「はい。こんなことになって本当に申し訳ありませんでした。」
多岐川は誠心誠意、謝った。

タマコの両親はすこし困惑の表情でこう言った。

父「いいんだよ。命に別状はなかったんだから。君のせいじゃないよ。」
母「そうよ。タマコにこんないい人がいてよかったわ。
あの子男っ気なかったから心配していたのよ。」

両親:「これからも一緒にいてあげて。」
そういうとにっこり微笑んだ。

「はい。」

「じゃっ私たちはこれで」

「目覚めるまでいてあげなくていいんですか。」

するとタマコの両親は首を横に振り、

「顔見て安心したよ。あとは多岐川くんにまかせる。」
予想に反して穏やかな展開に多岐川は少し拍子抜けしたが、すぐにこう答えた。
「はい。ずっとついてますから。」

母親は、頼もしいわねと笑いふたりはそっと病室を後にした。

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