Leak
転校生の女の子はやっぱりまだびくびくしてる状態でとても1人で喋れそうにない。
それを察知したのか、ゼクスカリヴァ様は
「セシルちゃーん、頑張れ」
って声をかけた。
へーあの子“セシル”って言うのか。
ゼクスカリヴァ様に応援されて“セシル”は半分まだびくびくしながら、そしてまた半分は勇気に満ちてあたし達の前にちょっと出た。
「セ・・・セシル=エーメリー、じ・・15歳です。
転校生だけど、この企画に参加させてもらえて嬉しいです・・・。
め・・・迷惑たくさんかけるかもしれないけど、な・・・仲良くしてくだ、さい・・・・・・」
“セシル”は声を震えさせながら必死に喋っている。
それがなんとも言えない。かわいらしいなぁ・・・・・
それにしても“セシル”って近くで見ると不思議な子。
髪の色は珍しい、赤紫。
瞳は左右で色が違う。見事なアシンメトリーだ。
右が赤で左が緑。
赤紫の髪とよく似合う。
でも外見だけじゃなくて、なんかあたし達と違うオーラを感じるのはあたしだけかな・・・?
まぁ、いっか。
これで全員の自己紹介が終わった。
時計を見るともうすぐ出発の時間。
そう思うと好奇心と恐怖がドっとあたしの胸に押し寄せてきた。
―――もう後戻りはできない・・・・・・・