キミの目に映るもの
「今の彼氏と幸せそうにしてる姿を…見てしまうんだ。」
「苦しくて、苦しくて…
なぁ…俺はどうすればいい…っ?」
そう言った表情はとても苦しそうで、涙で溢れていた。
笑顔がなくなって、こんな表情が残った。
ほっとけない。
キミの力になりたい。
たとえあたしが、どんなに辛くても。
「大丈夫。」
「…っ!」
ぎゅっと、あたしの体温で彼を包んだ。
「今は、辛くてもね?いつか、絶対に!
彼女の幸せを願える日が来るから。
神様はね?悲しみばかりの世界を造ったわけじゃない、そうでしょ?
必ず、また笑おうね?」
彼の背中に回していた手を、彼の頬にあてて、こちらに瞳を向けさせた。
とびきりの笑顔を見せたら、彼はまた、ほんの少し優しい表情をした。