キミの目に映るもの
なんか…すっごく気になる。
じっと2人を見つめてる男の子を、あたしもじっと見つめた。
光に当たって茶色になってる髪がすごく綺麗で、
近くで見てみたい…なんて思ってしまう。
ふいに彼がこっちに瞳を向けたから慌てて視線を先生に戻す。
なんか、不審者みたい。
覗きだと思われたらどうしよ…
だけど…あと一回だけ。
そう思いもう一度見てみると、もう体育は始まっていて男の子はいなかった。
興味あるんだけど、5組って関わりないしなぁ…
まっ、すぐ忘れるよね。
明日になったらカケラも覚えてないよ。
そう自分に言い聞かせ、数学に集中した。
キーンコーンカーンコーン…
「なんかぶつぶつ言ってなかった?」
授業が終わった瞬間、千夏に聞かれ少し戸惑うあたし。
「や、別に…うん。」
「…数学わかんなかった?」
「そ、そうかも…!」
明日には忘れる事、言わなくても大丈夫だよね。
…不審者とも思われたくないし。
うん、やっぱり千夏には秘密。