キミの目に映るもの
そんなあたしに、チャンスがやってくる。
「香奈実―っ職員室ついて来て!」
用事から教室に帰ってきたあたしに、千夏が駆け寄ってきた。
「え…なんで?」
「なんかこれ提出しなきゃいけなくて…だめ?」
そんな可愛らしく言われたら…あたしの母性本能が刺激されちゃうよ。
「しかたないなぁ…」
「わ―っい!」
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「じゃ、待っててね。
失礼しまーーすっ」
元気よく入って行った千夏を見送り、くるりと向きをかえると、中庭が見える窓。
窓を開けると、気持ちいい風が吹いている。