キミの目に映るもの
「結構中庭って綺麗なんだ…」
ぼーっと景色を見ていた。
「ちょうちょもいる!
もう春だな―…」
眩しい日差しが草や花に反射して
キラキラしてる中庭を見つめてた。
そんなあたしに、
神様はチャンスを与えた。
「ずっと前からもう春だと思うんだけど。」
そー言われてみれば…確かに。
「そっか!…って!?だ…誰?」
今、下から聞こえてきた気が…
そーっと、窓の外に顔を出す。
綺麗な、茶色の髪が目に入った。
あたしの心臓は、徐々に高鳴る。
彼がぱっと見上げた、その時。
あの、澄んだ瞳と間近で目が合う。
― 時間が止まったような瞬間だった ―