キミの目に映るもの



「え…あ…っ」


慌てて頭を引っ込めた。

…彼だ。あの、瞳。
間違いないよ。


どうしたらいいのか、わからなくて。あたしは立ち尽くした。

今は見えないけど壁の向こうにいる、彼。


壁一枚の距離。
こんなチャンス…



すると、彼は立ち上がった。
くるりと振り向いてあたしを見る。




初めて、彼の瞳をしっかり見た。

その瞳はやっぱり澄んでいて。



片想いだけじゃ、嫌。




「あ「俺、あんた知ってる。」


話しかけようとした時、突然の彼からの言葉。


「あ…そ、そなんだ。
あた、しもキミの事知ってるよ。」


「…あぁ。わかった。
俺、あんたと話したい。」


「は?」


話が読めない…


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