先生愛!
「あのね…つよしと別れたの……。」
唐突に美砂の口から出た言葉。
信じられなかった。
「私…我慢しようと思った…でも…無理で…」
美砂は泣きながら話し出した。
美砂の彼氏は浮気をしてたんだ,と。
昔から,何だかそれっぽい話は美砂自身聞いていたみたいで,私も相談を受けていた。
でも,その時は証拠もなかったし,美砂は彼氏を信じるって言った。
でも,美砂は見てしまったらしい。
期末テストの日の帰りに,手をつなぎながら彼氏が美砂の後輩のマネージャーの子と帰っているところを。
美砂とは正反対の,可愛い系の子と。
やっと,私はわかった。
だから美砂はあの時,あんな悲しそうな顔をしていたんだ…
それを見た時,美砂はどんな気持ちだっただろう…
ずっと胸の中に秘めていることが,どれだけ辛かっただろう…
私は…気付いてあげられなかった。
親友として…やってあげられる事,何もしてあげられてなかった…
「ごめんね…美砂…辛かったよね…」
美砂は涙を拭いながら,
「ううん,全然平気!あんなやつ,もう何とも思わないしっ!!」
そう言ってにっこり笑った。
でもこれは,真の笑いじゃない。
作り笑い。