先生愛!
ご飯を食べ終わったにも関わらず,まだ忍は帰ろうとしない。
早く解放されたいんだけど。
もうすぐ先生も来るし…
…
この沈黙…私嫌いだよ…。
ガラッ
まさか…!!!
はっと顔を上げた。
先生……
一番鉢合わせて欲しくなかった2人が,会ってしまった。
忍は,先生の特等席である椅子に居座ったまま,軽く会釈する。
先生は,少し驚いた顔をして小さな声で,「どうも。」と言った。
先生にこんな所を見られて,最悪だ…。と思った気持ちと,もう1つ。
先生が…もしかしたら…嫉妬してくれないかな…
なんて淡い儚い期待を微かに無意識に抱いていた。
先生にとってはただの患者。
しかも子どもの。
年の離れた,幼い患者。
分かってるけど…
「足,おかしなところないですか?痺れとか,感覚ないとか。」
「はい…。」
「分かりました。また何かあったら言って下さい。」
それだけ言うと,先生はカーテンを閉めて出て行った。