先生愛!
「あのっ!!コピー…出来ました…」
ふるふる震えた両手で差し出した。
「おっ,サンキュ。」
私には目もくれず,片手で書類を取った。
「あのっ…!!先生……私の事…覚えてたりしますか…?」
恐る恐る,震える声で尋ねた。
パソコンに向かったまま,先生は
「いや…知らないが…。すまない。」
と言った。
そっか…
そりゃそうだよね…
こんな風に
いつも先生の事忘れた事ないのは,私だけだもんね。
私は先生にとってはただの『患者』だったんだ。
しかも,子どもの。
今も,ただの『看護師』。
都合良く動けばいい,ただの看護師。
涙が溢れそうになった。
手をグーで,握りしめた。
「…本当に忘れると思ってんの?」
へっ?
よく状況を理解できていない間に,
先生はこちらに歩みよってきて,私を壁に追いやった。