先生愛!
「柊さんの左足には,
腫瘍のようなものがあります。」
「腫瘍!?」
あまりに予想外の診断にとっさに反応してしまった。
「そう,この白いもやもやがそれなんですが。悪性ではないので安心して下さい。
筋肉内にできものが出来てしまって,それが運動を行う度に痛みを発する,という所でしょう。きっと,先天性のものでしょうね。」
「そうですか…。」
予想以上に重症で正直びっくりした。
でも,心の中のもやもやがすっと消え失せた,と感じたと共に,
また新たな不安が波のように押し寄せた。
それを汲み取るかのように母が口を開いた。
「あの―…それは治療などで治るんですか…?」
「詳しくは,この病気関係の先生が市内に1人だけいらっしゃいます。その先生のところにご相談にいくのがよいでしょう。
また違う病院に行ってもらうことになりますし,何せ市内に1人なので曜日も制限されています。
とりあえず,こちらで予約をとって紹介状も以前と同様,書きますから。」
「ありがとうございます…」
私と母は軽く会釈した。