先生愛!
「あれ……?」
人影に近づいていく。
「小早川……?」
そういうと,人影はくるりとこっちに顔を向けた。
ちょうどこちらを向いた小早川の顔を太陽が,半分だけ照らしている。
その意外にも芸術的で,どこか哀愁をも感じられる姿に不覚にも
ドキッとしてしまった。
「あれ!?いたんだ…ほらっ,電気が消えてたから…みんな帰っちゃってるんだと…思ってたから…。」
指先をくねくね絡ませながら,下を向いて喋る。
「ああ……」
不意に担任の顔が思い浮かんだ。
そうだ,昨日の事お礼いわなくちゃっ!
「昨日…急に休んじゃってごめんね?…ちゃんとやってくれたらしいね。」
小早川はまた窓の方を向いた。
「別に……」
ハハッと小早川が窓の外を眺めながら,軽く笑う。
何か今日の小早川変だな…。
気味悪く感じた私はささっと荷物をまとめて,
「じゃ,じゃあ…帰るねっ!!また明日っ!!」
そういって足早に教室を出ようとした。
「待てよ。」