ハレルヤ





あたしは気付いてないフリして
ずっと下を向いていた。




「よっ」


慎吾は通り過ぎる時
あたしを叩いて行った。




慎吾が叩いてくるってわかってたからこそ
あたしは下を向いていた。




あたしが下を向いて
慎吾があたしを叩いて通り過ぎて行く。





それがいつもの習慣だったから。



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