ライアープリンセス~偽りのお姫様~


「それは嫌!大丈夫です!」

もの凄い勢いで夢叶様は言う。

「しかし…。」

「本当に大丈夫!だから誰にも言わないで…。」

頬に伝う一筋の涙。

手を伸ばし、夢叶様を包み込む。

甘い香りがした。

花の香りにも似た。

腕の中で夢叶様の震えが段々と消えていく。

「……健斗さん?」

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