ライアープリンセス~偽りのお姫様~
覚悟を決めて、足を進める。
久美子様に確かめてみなければ。
いや、しかし証拠などどこにもない。
考えていると、向こうから見えた人影。
久美子様だ。
お付きの者は、あふれんばかりの荷物を両手に持つ。
ブランド名が入った紙袋。
何度か見掛けた光景。
なぜだかうんざりした。
見下したような目線。
「久美子様。」
静かに穏やかにお声を掛けた。
これは一種の賭けだった。
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