ライアープリンセス~偽りのお姫様~
「命をかけて、私がお守りします。」
迷っていた私に、健斗さんはそう言った。
濁りのないその瞳は、私に安心を与えた。
――外出するのは、やっぱり怖かった。
あれ以来、外に出ることにためらいがあった。
「ずっと夢叶様の側にいますよ。」
その言葉通り、健斗さんは隣りにいる。
そして初めて見る、ジーンズ姿。
周りに気を遣わせないようにと、私服姿。
隣りにいる健斗さんは、どこにでもいる普通の青年だった。