ライアープリンセス~偽りのお姫様~
二人の視線は夢叶様を捉えた。
「はい、お力を落しておられますが気丈に振る舞っています。」
…本当にそうだった。
見ているこっちが辛いほど、悲しみを堪えている。
「お時間がありましたら、何かお言葉をかけて下さい。」
「…フッ、君にはかなわないな。」
恭介様はため息をついた。
「そうだね、彼女の時間を空くのを待っているよ。」
そう言って姿を消す。
心の底では、そんなことは望んでいないのに。
でも、少しでも夢叶様がお元気になられるなら。
以前のような笑顔がただ見たかった。