ライアープリンセス~偽りのお姫様~
後から後から、涙が溢れた。
何の涙か分からない。
驚きと、嬉しさと、悲しさ。
写真の中で笑うお父さん。
お父さんが生きていた証。
その写真を胸に当てた。
お祖父さまの悲しみが、今さらながら伝わる。
「うっ…くっ…。」
目を固く閉じたとき、フワリと何かが私を包み込んだ。
「夢叶様はお金で買われたのではありません。今までお世話になったお礼に、泰明様がお気持ちを表されただけです。」
私は、お金で買われたんじゃなかった…!