ライアープリンセス~偽りのお姫様~


……………………………

深夜二時。

夢叶様は静かな寝息をたてていた。

お食事には、手は付けられていなかった。

よっぽどお疲れなのだろう。

広いベッドに、身体を小さくして眠っている。

頬に掛かっていた髪を、静かに戻した。

遠くから何度か見ていた。

夢叶様は健気に生きているようだった。

泰明様の指示で、少し調査まがいのことをした。

毎日、会社が終わったらすぐに学園に戻られていた。

たまに寄る所は、駅の横のデパートくらい。

子供用の服や靴などを嬉しそうに選んでいた。

書店でも、学校教材のような物を買っていた。

時々手に取るファッション雑誌もパラパラと目を通す程度だった。

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