ライアープリンセス~偽りのお姫様~
そろそろ落ち着いて…。
本題に入らないと。
少し荒くなった息を整える。
「竹下さん、あのね。」
「はい。」
流れていた音楽のボリュームをリモコンで低くする。
「どういう風に呼んだらいいのかな?その…これから会う…えっと…。」
その呼び方が分からなく、戸惑った。
「あぁ。」
軽くうなずいて、少し目を泳がせ考えているように見えた。
「そうですね、やはり『お祖父(じい)さま』がよろしいと思います。」
お祖父さま、か。
「それと泰明様は『伯父(おじ)さま、泰明様の奥様は『伯母(おば)さま』が無難なところでしょう。」
「お祖父さま…伯父さま…伯母さま…。」
とりあえず、練習?してみる。
実際、私にはそう言った存在の親族がいなかったので、変な感じだった。
「お祖父さま…伯父さま……。」
「それと、私の呼び方ですが…。」
妖艶な微笑で私を見る。