ライアープリンセス~偽りのお姫様~
第六章 お嬢様は危険がいっぱい?!
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『お見合い』の相手、佐倉田恭介様について、いい人だったよ、と夢叶様はサラッと言ってみせた。
自分もそのように聞いていた。
佐倉田家のご子息は若いのに人間が出来たしっかりした青年だと。
胸につかえている気持ち。
そして夢叶様の側にいられる幸せ。
でもそれは『執事』として。
飽きる程側にいるのに、通い合うことなどない想い。
執事としてただ夢叶様の幸せを願ったいたはずなのに。
「執事失格、かな。」
自分に言い聞かせるように、呟く。