モンブラン




こうして僕は、生んでくれたパパとママや兄弟、育ててくれた人間のママとお別れした。




お別れやけどお別れじゃない。


僕はみんなのこと絶対に忘れへんから。






真っ暗な段ボールの中はめっちゃ不安で怖くて・・・・・・


いっぱい泣いて、おしっこを段ボールに飛ばしてみたり、

かじってみたりした。





知らないおじさんの声が聞こえて

この人が「reY」っていう人なんかなって思った。






ピンポーン





うわぁーー


段ボール持ち上げられて




「大事に運びましたよ」




「ありがとうございます!!待ってたんです」





人間の声が聞こえる。






ガサガサ



びりびり




「モンブラン君、待ってたよ!」




女の人の声。


この人がreYか?



ていうか、僕の名前間違ってない?



「モンブラン」なんて変な名前と違うんやけど。



っていうか、この人めっちゃ不器用や。



段ボールをあけようとしてるんやけど


なかなかあけられへんみたいで


焦ってる。




僕は段ボールの中を走り回った。



もうすぐ出られる。




それに、楽しみにしてくれてるみたいやから

元気な姿でごあいさつや。



クイクイッ


鳴いてみたり。




「初めまして!!!!モンブラン君。おつかれさま」




うわ!


眩しい!

急に明るい光浴びたらびっくりするやん。



人間や~


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