モンブラン
新しい家に来て、最初の夜。
洗い物の音とかテレビの音を気にして、
僕の小屋はお風呂場へ置かれていた。
そんな気にせんでも大丈夫やのに。
しかも、こっそりドア開けて何回も僕のこと見に来てる。
暇人やな。
うわ!!誰、この大きな人!!
声、違う。
あわわわわわ。
さっきの女の人には慣れたけど
この人、誰や!?
「どこにおるん?見えへんで」
うわ!
目、合ってもうた!
「あ、見つけた!!ちっちゃいなぁ」
ちょっと!!
いきなり手入れてくるん?
「モン太君、お父ちゃんですよ~」
へ?
お父ちゃん?
っていうか!!
モン太君って誰やねん。
モンブランの方がまだお洒落でかっこええわ。
僕は、小屋のはしっこに逃げて
大きな体の男の人をじっと見た。
「グルグル」
ちょっと怒ってみる。
「あ、なんかしゃべってる。かわいい~」
結構、この人も優しいかも。
なんか目、でかくて・・・
髪の毛、坊主や。
この人は reYの旦那さんなんやろか。
「はい、パセリあげる」
あ~
お母ちゃん来た。
クルクル
もぐもぐ
「食べてるやん!!」
うまい!!
自家製パセリらしく農薬の匂いもせんし
最高の味や!!
・・・あ!!
今、僕
お母ちゃんって、言ってしもた。
お かあ ちゃん?
このピンクのジャージ着た人?
そう、
この人がこれから僕のそばにずっとおってくれる人。