モンブラン



新しい家に来て、最初の夜。



洗い物の音とかテレビの音を気にして、


僕の小屋はお風呂場へ置かれていた。





そんな気にせんでも大丈夫やのに。



しかも、こっそりドア開けて何回も僕のこと見に来てる。




暇人やな。





うわ!!誰、この大きな人!!


声、違う。



あわわわわわ。



さっきの女の人には慣れたけど


この人、誰や!?




「どこにおるん?見えへんで」



うわ!


目、合ってもうた!




「あ、見つけた!!ちっちゃいなぁ」




ちょっと!!


いきなり手入れてくるん?




「モン太君、お父ちゃんですよ~」




へ?



お父ちゃん?



っていうか!!



モン太君って誰やねん。



モンブランの方がまだお洒落でかっこええわ。




僕は、小屋のはしっこに逃げて


大きな体の男の人をじっと見た。





「グルグル」



ちょっと怒ってみる。



「あ、なんかしゃべってる。かわいい~」



結構、この人も優しいかも。


なんか目、でかくて・・・


髪の毛、坊主や。



この人は reYの旦那さんなんやろか。




「はい、パセリあげる」



あ~


お母ちゃん来た。



クルクル



もぐもぐ



「食べてるやん!!」




うまい!!


自家製パセリらしく農薬の匂いもせんし

最高の味や!!




・・・あ!!


今、僕

お母ちゃんって、言ってしもた。






お  かあ ちゃん?




このピンクのジャージ着た人?




そう、


この人がこれから僕のそばにずっとおってくれる人。




< 8 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop