『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
「あんたって、本当に、さいて~ね」
「なんで?」
「圭輔つかって私を閉じ込めるなんて、これってりっぱな犯罪じゃないの!」
私の言葉に、何かを思い出したような顔をした陸渡は、
くすっと笑って、私にドアから離れるように促した。
そして、ドアをゆっくりと、引いて・・・え?
引いた??
ドアは、苦もなく開いた。
そう、洗面所の内側に・・・。
道理で、必死に押しても開かないわけだ。