『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
私が答えないでいると、ふ~んといいながら、体を密着させてきた陸渡。
「な、何よお!」
「ちゃんと答えろよ。
押して入った場合、出るにはどうすればいいんだ?」
言わなきゃ離しそうもない陸渡の態度に、仕方なく、口に出す。
「引けばいいんでしょ!」
「お、正解~♪
これで、一つ証明されたな」
証明??
「七海は、猿と同じくらいオリコウサンだ」
っ!
あんたねええええっ!
やっぱり、ぐーで殴る!!
「答えたんだから、離して!」
「さて、どうしよっかな♪」
歌うように軽快な陸渡の声。