『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
「ピンポン♪っていってるよ?」
自分でも引きつってるなと思う顔の不自然な動き。
いや、頼むから玄関行こうよ~。
「私、出よっかな~」
無言の陸渡。
「何とか言いなさいよ!」
「圭輔が出るから、チャイムはほっとけ。
どうせ、新聞の勧誘だろ。それより・・・」
陸渡が私の額に、自分の額をピタリと押し当てて・・・、
ぐりぐりと力を込める。
「い、痛いよ!」
本気で痛いってば!
頭の後ろは、ドアに当たってるし、陸渡は、私の言葉もまったく無視して、
ぐりぐり攻撃をやめない。