『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
ますますパニック状態の私は、近づいてくるたくさんの足音に
大急ぎで走って逃げる。
足に自信のある私なのに、なぜか体が重くて前に進まない。
な、なんでぇ~。
「誰に許可取って、俺を盗んでるわけ?」
もがく私の背中で、不機嫌な声がする。
「り、陸渡!なんで?!」
「なんで?
それは俺のセリフだ。
お前は遊びなんだよ。
勝手に本気になんじゃねぇ」
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