『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
「ちょ、ちょっと痛いってば」
「俺のプライドについた傷を思えば、たいしたことない」
陸渡は笑いながら私の手を引っ張ってるけど、
私は笑い事じゃなかった。
「いいかげんにしてよ!!」
陸渡の手を必死に解くと、立ち止まってにらみつけた。
「あんた、あのユカリさんって人と、一緒に住んでるんでしょ!
なのに、なんで私が二股かけられて
偉そうにされなきゃいけないのよ!
もう二度と、私の前に現れないでよ!」