『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
「あれ?陸渡、七海ちゃんと行くんじゃなかったの?」
俺が花音と学校へ向かっていると、
途中の道端で呆然と立ち尽くす陸渡に会った。
なんだか様子が変だ。
花音に先に行ってもらうように言うと、
花音はこくんと頷いて、心配そうに振り返って去っていった。
ああいう、素直なとこがなんともいえず、かわいいよな~。
俺は、ちょっとでれでれしかけた顔を、
きりっとひきしめて、陸渡に話しかけた。
「で?何があったの?」
こいつのこんな姿見るの、はじめてかも。