『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
「大体、女ってのは、キスされたら喜ぶだろうが。
なんで、逃げるんだよ!」
陸渡は、本当に自分のしたことが分かっていないらしく、
逆ギレしてる。
「あのね、陸渡。
確かに今まで陸渡の周りには
“そういう”女の子ばっかりだったけどね」
俺は、そういう、ってところに力を込めた。
もちろん、陸渡と関係をもってはしゃいでる連中のことだ。
「七海ちゃんも、そうだと思うわけ?」
陸渡は、うつむいて黙ってしまった。
いつもなら、俺は陸渡のやることに口を挟んだりしないんだけど、
今回は別だ。
なんせ、陸渡自身、
レンアイに関しては七海ちゃん以上に初心者マークだから。