『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
陸渡の顔が、ハッとしたように真剣な目になった。
・・・もう一押しか?
俺は陸渡のケツを叩いてやろうと、
あくまでたんたんと話を続けた。
「第一、お前ら清い関係って契約だったんだろ。
それ破ったんだから、
七海ちゃんも、もうお前と付き合う必要ないよな。
今頃、別の男から交際申し込まれてるかもな。
あぁ見えて、七海ちゃんけっこうもてるから、
お前も、」
うかうかしてられないぞ、
って俺のセリフが終わらないうちに、
陸渡は猛然と学校へ走っていった。