『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
いや、呼ばせていただかなくて結構ですから!
「七海~・・。」
やばい、花音が泣きそうになってる。
花音は、私と違って、物静かで大人しいタイプだもんね。
三十六計逃げるに如かず!
私は、花音の手をとり、猛ダッシュで逃げた・・はずが、
「きゃっ!」
花音の悲鳴とともに、体が引っ張られる私。
よく見ると、陸渡が花音の腕を握り締めている。
驚く花音の顔を、
ふ~ん、と言いながら眺める陸渡。
「お前も結構かわいいじゃん?」
え?まさか・・・。