『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
言うと同時に、私の足が陸渡の膝下にヒットした。
いわゆる弁慶の泣き所ってやつだ。
「ぎっ!!!!!」
陸渡がすねをかかえてうずくまる。
「行くよ、花音!」
私は、花音の手をひいて、猛ダッシュで逃げた。
花音は、後ろを振り返りながら、
陸渡の様子を気にしてたけど・・・、
冗談じゃない。
情けは無用!
後ろなんて気にせず走り去った私は、
その場に残った陸渡たちの会話なんて、知るよしもなかった。