『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
仕方ない、細かいお金じゃ忘れちゃうから、
五千円借りて、後で返そう。
ん?そういや、なんでここに海渡さんが?
まさか、あとをつけられたとか?
私の怪訝な顔を見ると、
「ほら、携帯忘れてたよ」
って、海渡さんは満面の笑顔で私の携帯を差し出した。
あっ!
慌てて、自分の鞄を探るけど、確かにない。
そっか。
メールが来てないか、確認しようとして、机に出したんだった。
メールも着信も、
陸渡からはなかったけど・・・・・。