『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
う~ん、
確かに紫は俺の初恋の相手なんだけど、
それは、小学生の頃の話で。
俺の初恋が、
見事に砕け散ったのがお前のせいだって、
いつか言ってやりたいけどね。
俺は、陸渡の背中が消えるのを待って、
紫のいる部屋のドアを叩いた。
「紫?
俺以外はもういないよ。
ケーキ買って来たんだ。
誕生日のお祝いしようぜ?」
はぁ。
まったく、兄弟揃って不器用な男だ。