『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
⑩俺様下(もと)暗し
危うく車に乗せられそうになったところを、
私は振り切って全力で走り出した。
外はもう真っ暗だけど、うちまで走れば5分で着く。
ううん、そうじゃなくて・・・。
私はただ走りたかっただけなんだ。
頭の中のごちゃごちゃした、このやっかいな、
感情という名の生き物をなんとかしたくて・・。
必死で腕を降り続けた。
家に入るときに、後ろを振り返ったけど・・。
追いかけてくるわけない、っか。