『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
陸渡はわざとらしく大きく息を吸いこむ仕草を見せると、
「七海~!!!
海渡なんかと付き合うんじゃね~ぞぉ!!!」
って。
「ちょ、ちょっと待って!!」
私は窓から身を乗り出して叫んだけど、
陸渡はまたしても息を吸い込んでて。
ぎゃああ!
冗談じゃない!近所中に聞こえるじゃん。
転げ落ちそうな勢いで階段を下りて、
玄関にアタックした。
「やめて!!」
どうせ、私の慌てた姿を見て、してやったりって顔で
にたにたと笑うんでしょ!