『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
いや~。
相手をやり込めるって快感だね。
これからも、ちょくちょく陸渡を懲らしめてやろっかな♪
優越感に浸って、陸渡の顔を眺めていると、
その中の黒い瞳がぎらりって妖しく光った。
「じゃあ、これでめでたく公認カップルってことで」
陸渡は本領発揮とばかりに、にたりと笑うと、
私の両腕を私の背中に回して、片手で掴んだ。
「痛いじゃない!何すんのよ!」
「何って・・ナニだろ?」
な、ナニって何よ!
離しなさいってばぁ!
陸渡の顔がだんだんと近づいてきて、
私はうつむいて力いっぱい目を閉じた。