『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
「だからって、そこの変態のご友人と一緒じゃなくてもいいからね!
あんた、花音になんかしたら承知しないわよ」
圭輔って男にくぎをさすと、
「大丈夫。俺は陸渡と違って、女性にはやさしいから」
って、真顔で返事をされた。
「うそつきなさいよ!
昨日は、陸渡に絡まれてる花音を助けもしないで見ないふりしたくせに!
今だって、私のことはどうでもいいわけ?」
「あぁ、ごめん。俺、陸渡に逆らう気はないから。
でも、陸渡が興味あるのは、君で、花音ちゃんは巻き込まれてかわいそうだからさ。
心配しなくても、陸渡は女の子を選ぶから。
君、陸渡のおもちゃの資格があるみたい。それじゃ」
圭輔は、花音の手をひっぱって、学校のほうへと歩いていった。
心配そうに、私を振り返った花音に、作り笑顔で手を振る。
言いたいことは山のようにあったけど、今はとりあえず花音が大事。
はあぁ、高校生活初日から、暗雲が立ち込めてます・・。