『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』



振り返りたくない!

けど・・・。


俺は、腹をくくって、ゆるりと後ろに向いた。

そこには、

当然、俺の予想した人物が、

菩薩のように穏やかな微笑を浮かべ、

マリア様のように麗しい声で囁いた。


「今日は、一緒に帰りましょうって・・・」


そこで陸渡はす~と息を吐き、

笑顔はそのままに、

野太い声を出した。


「言いましたよねぇ?」



きょえっ!

まじで怒ってるよ、こいつ。










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