『勧善懲彼(かんぜんちょうかれ)迷惑な俺様彼氏』
「疑ってるって、
海渡さん、派手な女の人と一緒だったんだよ。
だから紫さんが怒って平手を
お見舞いしたんだから!」
そう、
走り去る紫さんを追いかける陸渡の姿に、
私はショックを受けたわけで。
「あぁ。海渡さん、出版社で働いてるんだ。
その人は、モデルさんで、
写真集を出すための打ち合わせだったんだって」
「え?じゃあ・・・」
「そ。紫の早とちり。
仕事の後、紫とデートすることになってて、
待ち合わせしてたんだってさ。
けど、仕事が長引いて、
ちょうど終わったところに・・」
「鉢合わせした!」
「そういうこと」